全手動洗濯機
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2003/11/30

フルオート=全自動 聴こえは良いが、諸刃の剣。電気メーカさん。異常検知機能を強化してください。そうしないと我が家は手間も暇もかかってしまうことになります。

最近のお風呂はすごいですねぇ。
私のところは三菱のダイヤホットというのがついていますが、これが便利なんですよ。自動お湯張りは知っていたのですが、インターホンで台所と会話できたり、自動保温・自動差し湯・ワンタッチ追い焚きなんかもできて、「便利だにゃあ。いい湯だにゃあ」と非常に気分良く入浴できます。ただ、自動保温には時間設定があるのか、深夜1時とか2時に入浴するときは、自動保温が切れています。消し忘れ対策なのでしょう。まあワンタッチ追い焚きをすれば5分くらいで設定温度になるので問題ないですが。

「自動」って「便利」を連想しますよね。「全自動」とか「フルオート」とかは、あれですよね。ナイトライダーの「キット」とか、ジェームスボンドが毎回博士からもらうグッズとか、最近ではスパイ・キッズのグッズを連想させますよね。まだコマンドこそボタン操作ですが、レスポンスは音声です。「お湯張りをします。お風呂の栓はしましたか?」「お湯張りが完了しました」とオネイサンが喋るのですからたいしたものです。NECの携帯電話は音声認識コマンドを用意していますから、コマンドの音声認識化もそう遠い日じゃないと思います。「オネイサン、お風呂入れてくれ。今日はゆっくり入るからちょっとぬるめね。」「お湯張りをします。温度を40度に設定しました。」なんて会話ができるんだろうな。いや、そのころには全家電がネットワークでつながっていて、ホームサーバーに各家電の通信制御ソフトが入っているだろうから、お湯張りが完了したら、見ているテレビに字幕スーパーで「オネイサンからのメッセージです。お湯張りが完了しました。」と出てくるに違いない。日立やパナなら実験の最終段階に来ているのではないかな。

学生のころ妻が乗っていた車は通称ボロックと言われていました。このスーパーシビックはFFなのにパワーステアリングが無くて(ホンダのページには車速応動型パワーステアリングと書いてあるが、少なくとも妻の車にはついてなかった。)女性では絶対に「すえぎり(停止した状態でハンドルを回すこと)」ができませんでした。スーパーマンになれるほどの筋トレができる車というのが命名の由来と言われていました。当然窓もクルクル回すやつで、「ハンドパワーウィンドウ」と、もったいぶった表現をしたものです。

とにかく、古きよき時代というのは手動が残っていた時代です。そういえば私も小学4年か5年まで、風呂焚きが日課になっていました。おがくずを圧縮した「オガライト」という燃料が主燃料ですが、これは簡単には火がつかないので、紙と多少の木材である程度の火力にしてから主燃料を入れました。この風呂焚きという手伝いだけは大好きでしたね。今思えばビニール・ナイロンなど燃えるものは全て燃やしていたのでは無かったかと思います。ダイオキシンとか出ていたのではないかと心配です。省資源的な視点からも良くないですね。

省資源と言えば、お風呂の残り湯です。
これを洗濯に使えばお湯なので汚れ落ちもよく一石二鳥ですよね。昔はバケツでいちいちくみ出していましたが、2千円程度で残り湯汲み上げ用のポンプが売っており、重宝しています。最新の洗濯機では初めからついていますよね。うちのは10年前のなのでついていません。妻はこのお湯がもったいないと言って、全自動洗濯機をわざわざ洗い・すすぎを単品利用します。お湯を入れては設定してスタート。脱水かけて、またお湯を入れて。このお湯もセンサがついてないから、こまめに見に行かないといけません。そしてすすぎ。また脱水してってアンタそれ昔の洗濯機でも脱水以外は勝手にやってくれたよと言いたくなります。

だいたい洗濯機もセンサーが壊れていて、どんなに少量の洗濯でも水量MAXになっちゃいますし、脱水のブレーキもバカになっちゃってますから、ふたを開けたら危険きわまりない状況になります。

とにかく、お風呂の残り湯があると洗濯機の作業効率が極端に落ちるのです。そこまでお湯が大事ですか?と妻には言いたいけれど、ISO14001的視点からすれば、模範的行動なのでまあ不問にしていたわけなのですが...
先日も妻はうれしそうに、残り湯で洗濯していました。溜め込んだ洗濯物は3回分にも達していました。妻は嬉しそうに「ほんまお湯で洗うときれいになるわあ。」と言っていました。「すすぎも込みで3回も洗濯できひんやろ?」と私が問うと、「それが不思議なことにお風呂のお湯が減らへんのや。」もしやと思ってお風呂を見ると案の定自動運転ランプがついてるじゃありませんか。あのなあ、妻よ。あんたが手動運転する分にはかまへんが、洗濯のためにお風呂の自動足し湯機能を使うなよ。ていうか、普通2回目あたりで気付かんか?
まあ、この程度のことは日常茶飯事だし、私も気にしません。だって共働きなのに、家事の多くを妻にしてもらっているし。

今日もいつものように残り湯を使って妻が洗濯していました。家族全員で風呂に入り、先に出た私は布団で子供とプロレスをしていましたが子供たちがのどが渇いたと階下にお茶を飲みに行ったので、仕事をしようとパソコンに向かったときに、妻が洗面所から出てきました。「そろそろ年賀状つくらなあかんよな」そんな会話をした後だったと思います。風呂場に戻った妻が悲鳴を上げました。

私が部屋から出ると、2階の廊下にがあふれているではありませんか。
「なんじゃこりゃあ」太陽に吠えろのジーパンの最後のせりふがこんな感じだったと思います。
「洗面所の戸を開けたらザバーって水があふれてきたんや。」て私の新居は沈没するのですか、ここはタイタニック号ですか?
人間、パニックになると数秒間は動けないものですね。子供が階下から上がってきてようやく我に返りました。
「なんやこの洗濯機、きちんとホースを留めて蓋したのに」妻は自分の過失を認めようとせずに、洗濯機の蓋とホースの摩擦係数をこの事件の犯人に仕立てようとしています。
「何ゆうとんや、さっさと水を風呂場に戻すんや。」バスタオル・洗面タオル、全てのタオルを投入し、廊下の水を吸い上げました。廊下の水はすぐ向かいの寝室を越えて子供部屋に到達しようとしていました。「こら長男、さっさと手伝わんか!我が家の史上最悪の事態なんじゃ」子供たちにも罵声を浴びせ、水を吸い上げます。
思えば「ええか、家には湿気が一番悪いんや。お風呂の扉を開けっ放しにすると湿気が洗面に出てきて床や壁が傷むから、風呂の扉は開けたらあかんで」とか「乾燥機使うと、服は乾いても湿気がこもるから使用禁止や。結露が家には一番悪いんや」と何度も家族に言い聞かせて来ましたが、湿気なんかよりもダイレクトなこの状況のほうがよっぽど最悪です。
床と壁の隙間からきっと水は沁み込んじゃって、コンパネ層を超えてALC層に達しているに違いない。いやもしかすると1F天井のグラスウールに滴っているかも知れない。一応、床から水がなくなった後、一階の天井点検口から確認しましたが、とりあえず水気は確認できませんでした。

「お前は悪いがクビや、もう明日から働かんでもええ」そう捨て台詞を洗濯機に向かって言い放ってようやく、私の気分は収まりました。
とにかく、明日、朝一番でニノミヤに行って洗濯機を買ってきます。

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